天の川

2006年7月7日 友達
残念ながら見えないようだけど。
見えなくてもきっとお会いになるのでしょう。織姫さまと彦星さまは。

春に、地元の友達の弟が亡くなった。
彼女の家に遊びに行くといつも人懐っこい笑顔で迎えてくれた。
お姉ちゃん子の、可愛い男の子だった。
大きくなっても仲良し姉弟で、よくカフェでカップルに間違えられていた。
冬に彼女に会ったときも、たしかそんな話をしていたように思う。

けれど別れは突然で。
遠くに住むあたしに気を使って、彼女は連絡を寄越さなかった。
機転を利かせてくれた別の幼馴染のおかげで、何とか最後のお別れには立ち会えた。
あたしが行くと、彼女は泣いた。
「遠くから、ありがとう」
こんなときに、なんでそんなこと言うんだろう。
悲しくて、どうしていいか分からなくて、抱きしめることしか出来なかった。
「見てやって」
そう言われて棺の中を覗き込んだら、すっかり大人になった彼がいた。
大きくなっちゃって。
どうしていいか分からなくて、足がすくんでしまった。
後ろで友達が泣いていた。

なんて言えばいいの?
あたしは。
声も出なかった。
涙は流れていたけど、ここで泣くこともなんだか間違いに思えた。
彼が亡くなった事も悲しかった。
でもそれ以上に泣き続ける友達が痛々しくて。
何もしてあげられないのに、何しにきたんだろう。
こんなところで泣いて。
彼女になにもしてあげられないのに。

あれから2ヶ月と少し。
昨日「いつもの3人でごはんたべてまーす!」とメールが来た。
それぞれからのメッセージ付きで、あたしと、もう一人遠くに住む友達に同時に送られていた。
元気そうで、安心した。
あれから、式で別れてから、何の連絡もとってなかったから。
「夏、皆であそぼーね!休みとれよ!」
そう書かれていた。
ほっとした。
立ち直ったわけではないけど、彼女は前を見ているんだと分かったから。

7年前、別の幼馴染のお母様が亡くなったときも、あたしは同じように何も出来なかった。
お母様を亡くしたその友達は、とても強くて、まっすぐ育った。
あたしは彼女をとても尊敬している。
あんないい子はほかにはいないと。
今回の件にしてもそうだ。
なんていじらしくて、なんて力強いんだろう、と思う。

あたしに出来ることは何もないけど、何処にいてもあなた達のことを想っているよ。
何でも力になりたいとおもってる。
なかなか頼ってはもらえないけれど。

あたしたち5人が誰も欠けることなく、幸せな未来をつかめますように。

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